マンガ 日本の歴史〈3〉興亡する倭の五王と大嘗の祭 (中公文庫)のレビュー

絵柄・描画力はいいのだけど
絵柄は、さすがに霊威を描くようなシーン(三輪山、前方後円墳、大嘗祭)は迫力があって、
ヴィジュアルで古代史イメージを見たい、という願望は満たしてくれます。とくに、箸墓神話もイメージぴったりで、大嘗祭はやや俗に描きすぎかもしれませんが、儀式性をうまくつかんでいます。

ただ、いかんせん、歴史解釈(倭の五王や、稲荷山鉄剣など)がオーソドックスすぎて、しかもそれが確定したかのようなシナリオになっているために、注意は必要ですね。武=雄略、興=安康、珍=反正など、結局、ありきたりの通俗的な「歴史」になってしまうのです。

古代日本の原郷の風景や、大和盆地、さらには古墳の詳細を御大の絵で見られるので、そうしたイメージ、描画に関してはオススメできます。
秀逸
このシリーズ、第3巻は、日本史の中でもわからないことが多く、中国に残る文献から当時の日本を創造するしか手立てがない。学者でもない一般の読者にしてみれば、完璧ではないにしても図案化された漫画ならずいぶんと理解しやすいと感じた。かつて、日本書紀や古事記の原文を読んだことがあるが、読解するのが困難だった記憶がある。

こういった漫画は本当に助かります。